あと2-3日で盛りを過ぎるであろう桜を

せっかくの休日でもあるので 見に行った。


なかなか風が強い一日だったが

それでも満開になったばかりで まだしっかりとガクにしがみついているせいか

通りかかるどこの桜も 美しく揺れていた。


比較的自宅から近いところに 桜の有名な公園がある。

少し離れたスーパーの駐車場に車を止め

足をのばしてみた。


その公園には 1体の石碑がある。

ある少年を偲ぶものだ。


その少年は、私が昔通っていた小学校の出身者。

もう100年近くも前のこと

当時5-6年生だった その少年は

近所の幼子3人を連れて 近くの川へ水遊びにでた。

気付くと1人が深みにはまって流された。

その後も次々子供は流され、ついには3人ともが溺れてしまった。

少年はわが身を省みず、川へ飛び込み

全員の命を救ったのである。

ところがあと少しというところで 少年自身が足を取られ流された。

結局少年は亡くなってしまった、という話である。


当時、それほど大きな事件・事故はなかった時代らしく

この話は全国紙で大きく報じられたのだそうだ。

今なら大人の引率もなく、10歳くらいの子供に

大きな川へ3人もの幼児を任せるなどと言う事はありえないだろうが。


今も少年の命日には 出身の小学校の代表と教師数人が

石碑に花を手向けに行くのだという。


その少年をかたどった石碑も今日は桜に囲まれて 

ちょっとだけいつもより 誇らしげに建っていたような気がするのである。