近くのスーパーに アンドーくんという男の子がいる。

見かけは20代後半くらいの青年である。

このあたりには珍しく なかなかのイケメン。

平日 昼間に行ったときもいたので 単なるアルバイト、

というわけでもなさそうだ。


同じ職場の人と 偶然同じスーパーを利用するということがわかった時も

「あそこに 結構かっこいい店員がいるよねぇ。なんて言ったっけ」

「あ~、もしかしてアンドーくん?」

「そうそう!ヽ(゚◇゚ )ノ 知ってる?やっぱり」

という会話が成り立つほどである。


ちなみに アンドーくん自身も そのあたり十分意識しているようで

とりわけ 若い女性がレジに並ぶと

独特のフォームでレジの打ち込みをし

さらにかなり意識した感じの おつりの取り扱いをする。


これをされなくなると アンドーくんのストライクゾーンから外れたということで

オバサマ方の間では 熾烈な攻防戦が秘かに繰り広げられているのだとか。


ここ半年ほど 私は別のスーパーに通うようになり

アンドーくんとも ご無沙汰であった。


この度 牛乳が切れそうになったため

「ま、牛乳くらいなら」 と 久々にかのスーパーに立ち寄った。


果して 偶然並んだレジは アンドーくんが担当だった。


あらゆる意味で 微妙な緊張を伴い 自分の番が来た。


幸いにも アンドーくんは件のパフォーマンスを華麗に披露してくれたのだった。


アンドーくんのストライクゾーンが 意外に広かったことを有難く思うのだった。